第45回オンライン・トークライブ「未来への贈り物 ~Present to the Future~」
出演:峯岸由美子さん(一般社団法人 遊心代表理事)
司会:関 智(編集者、プロデューサー)
ホスト:ブルース・オズボーン(写真家)、井上佳子(親子の日普及推進委員会)
主催:親子の日普及推進委員会
配信日時:2026年4月26日(日)15:00~(LIVE配信)
第45回「親子の日オンライン・トークライブ」は、35年にわたり、自然体験活動、自然学校の運営・指導、指導者養成に従事し、独自の開発した「遊心メソッド」で地域の自然・人・文化を結ぶ活動を推進する峯岸由美子さんをお迎えします。峯岸さんと「親子の日」の接点から見える未来へのヒントは? 本記事で動画のハイライトをご紹介します。
<動画はこちら>
出演:
峯岸 由美子(一般社団法人 遊心代表理事)
35年にわたり自然体験活動や自然学校の運営、指導者養成に従事。独自の「遊心メソッド」を開発し、企業研修や幼児・家庭教育にも展開。2010年に法人設立後、都市部の親子を対象に五感を使った体験プログラムを実施し、2024年は年間約1500名が参加。動物園・博物館を活用した探究学習にも取り組む。2021年より「神田藍の会」を主宰し、地域文化の継承にも力を注ぐ。
関 智(編集者、プロデューサー)
「POPEYE」「BRUTUS」「宝島」など、カルチャー雑誌の企画・編集に参加。現在は、日本工学院などの非常勤講師、刺激スイッチ研究所所長も務める。「親子の日」公式サイトの「せきさとるのムービー親子丼」を担当。
ブルース・オズボーン(写真家「親子の日」オリジネーター)
1982年から親子をテーマに写真撮影を開始。2003年より7月の第4日曜日を「親子の日」と提唱。「親子の日」などの写真を通じての社会活動が認められ東久邇宮文化褒賞を受賞。作家として「未来への贈り物〜Present to the Future〜」というメッセージの発信を続けている。
井上佳子(親子の日代表 プロデューサー、株式会社オゾン代表取締役)
ブルース・オズボーンの仕事とプライベートのパートナーとして数多くの展覧会やイベントをプロデュース。
峯岸 由美子さんをご紹介
関:こんにちは。4月26日日曜日、東京はよく晴れています。本日はゲストに一般社団法人遊心の峯岸由美子さんをお迎えしました。峯岸さん、こんにちは。
峯岸:よろしくお願いします。
関:今日は峯岸さんのされている一般社団法人「遊心」の活動が「親子の日」と親和性が高いと思うので、ぜひお話しいただけたらと思います。遊ぶ心と書いて遊心ですね。どのような意味なのでしょうか。
動画 2分20秒「「遊心」の意味」
峯岸:法人を立ち上げたのが16年前ですけれど「遊心」という言葉には非常にこだわりがあります。1つは一般的に言われている遊び心のように、余白があって余裕がある状態。もう1つはマインドフルネスのように心が自由になっている状態、子どもが鼻水を垂らしながらも夢中になって、お家の人が声をかけても気づかないような集中した時間。そういう夢中になるニュアンスも「遊心」にはあるので、両方をかけて付けました。
関:日本語の「遊ぶ」は軽く見られがちですが、英語の「プレイ」は幅広くて深い。遊ぶ心こそ一番大事という気がします。
峯岸:子どもたちだけではなく、大人も持てるといいなと思います。大切にしたいですね。
外で遊ぶ機会がない子どもたち
関:今年で16年目だそうですが、いろいろなお子さんを見てきて、いかがですか。
峯岸:子どもたちと外で遊ぶというのは元々35年以上やっていて、山や海の近くでもやってきました。生まれ故郷の台東区に戻った時に、外に出て遊ぶ機会がない子どもたちがたくさんいて。葉っぱを触ったことがない、ダンゴムシを捕まえたことがない、地面に座れない子もいたんですね。親が「汚いから触っちゃいけません」と叱ってしまうので。最近は保育園・幼稚園の先生方が頑張って改善していますが、今度はZ世代の親御さんたち自身に自然体験がないので、親も触れないんですよね。
自然が豊かな場所に行けばもっと体験できますが、都市部でも地面はあるし、隣の花壇に花は咲いているし、道端にアリもいる。そういうことに気づくことが大切かなと思っています。
関:そこに向ける目も大事ですよね。佳子さん、「親子の日」との関わりとしてはどうですか。
佳子:共通するのは「親か子か」ではなく「親も子も」というつながりの中で社会を見つめているところ。これからどんなことを共有できるか、もっと探していきたいと思いました。
自分で遊びを見つけられる子に
動画 9分26秒「葉山のイベント写真」
ブルース:ちょっと前の葉山で地元の人たちよ一緒にしたイベントの写真を見てください。
佳子:お散歩したり草花やビーチの漂流物を拾ってから、標本箱をみんなに渡して。ブルースが写真の撮り方を教えながら1つの標本箱を作るというイベントです。親も子も参加して、みんな夢中になってとても楽しかった。峯岸さんの活動とも重なると思ったので、懐かしい写真ですけど探してみました。
動画 9分49秒「標本箱づくりの様子」
関:すごい、立派な作品ですね。
佳子:写真の経験がない人でも、カメラを持って歩き回って撮影して、出来上がったプリントを切り抜いて、拾った物と組み合わせるとこんな作品ができるんです。楽しかったですよ。
動画 10分15秒「完成した標本箱の作品」
佳子:これをやっている間、みんな静かだったんです。
峯岸:自分の写真が入っていると、うれしいですしね。
動画 10分53秒「自分の写真が入った作品」
佳子:大人が楽しんでいる姿を見ると子どもも喜んで楽しんでくれる。義務感ではなく楽しむ、「遊心」ですよね。そこが峯岸さんの活動と共感し合えるかなと思いました。
関:「与えられた物しか知らない」じゃなくて、自然の中で自分で遊びを見つける。それは本当にクリエイティブだなと思います。
峯岸:与えられた遊びはできても、何もないところから自分で作り出すのはとても苦手な子が多いですね。でも、実は子どもたちも力を持っているので、やっていくうちにできるようになってくる。持っている力が目覚めるんです。それをやるには自然はぴったりです。人間の範疇外のことがたくさんあって、バラエティに富んでいますから。
関:ホームページを見ると、峯岸さんの名前が「フジコ」になっていますけど、どこからフジコは降ってきたんですか(笑)。
動画 12分58秒「フジコという名前の由来」
峯岸:内緒にしているんですが、子どもたちから「フジコちゃん」と呼ばれていて。
関:ルパンじゃないですか。
峯岸:若かりし頃はいろいろやらかしていたので。飲んで騒いで、一升瓶持って街歩くみたいなことが普通だったんです。内緒にしておいてください。
関:みんな見ています&アーカイブにも残りますから。これからフジコさんと呼ばせていただきます。
「神田藍の会」の活動
動画 14分32秒「神田藍の会の紹介」
関:「神田藍愛」と出ていますね。フジコさんは神田藍の会の活動もされていますが、ご紹介いただけますか。
峯岸:2021年からスタートしています。身近に自然があったらいいなと思って、内神田で屋上菜園をしていたんです。そこで近所の親子に野菜作りを体験してもらっていたのですが、コロナで使えなくなってしまって。野菜よりも簡単に作れて、神田の歴史・文化に合ったものとして「藍」に着目し、地域の皆さんにお声がけしました。
動画 15分23秒「屋上での藍の栽培」
峯岸:東京都千代田区の公共施設の屋上で育てています。武道館の屋根が近くに見えて、左は皇居の内堀沿いです。それまでも親子で染めものはやっていたんですけれども、藍を育てるところからやりませんかという思いで始めまして。藍は割と強い植物で、水だけあれば次々と育つ。ポットでご自宅のベランダでも、お庭でも育てられます。
人がつながるきっかけに藍染文化を
関:あの緑の葉がどう藍色になるんですか。
峯岸:藍染めの藍が植物だとご存じない方が多いんです。染液を作っても最初は緑で、酸化という作用が働いて青く変化してくる。その変化をみんなで楽しむんです。植物を育てることで人が会話するきっかけになり、いろいろな人がつながり合えばいいなと思って。そういうニュアンスで活動しています。
動画 17分39秒「藍染めの色の変化」
峯岸:神田は元々全国の藍を加工する場所でした。徳島や群馬など各地で作られた物が集まり、人がここでつながり合う「結び目」になればいいと思っています。藍は武士の時代から日本人に馴染みが深くて、鎧の中の着物は藍染めでしたし、抗酸化作用もあって怪我の治りが早いとも言われています。
関:いい色ですね。質の良いジーンズとして、藍染めのジーンズなんていいじゃないですか。
峯岸:そうですね。でも、大切なのは、出来上がった商品だけではなく、藍をみんなで積んで、染液を作って、染めて楽しむ時間や場があることが、街の皆さんにとって必要だと思ってやっているんです。
関:遊心とつながるわけですね。遊心と藍の会は一緒に活動することもありますか?
峯岸:しています。親子で染めの会がある時には遊心が出ていってお手伝いする形で。参加したい方はホームページから申し込んでいただければ、種も苗もお届けします。神田明神でご祈祷いただいた種を皆さんに配って、1年間育てて刈り取って染める全プロセスに関わることもできます。
関:ハードルは高くないですか。
峯岸:大丈夫です!
藍の栽培は難しくない
動画 23分31秒「藍の栽培スケジュール」
関:どのくらいで染められる植物になるんですか。
峯岸:3〜4月に種をまくと、夏の6〜7月には大きくなって、3回ほど刈り取れます。見た目がシソやバジルに似ていて、初めて見る方には「これバジルですか?」と聞かれることもあるんですよ。徳島ではお茶にしたり食品に練り込んだりしています。苦いですが、体にいいんですよ。障害のある方たちとクッキーに練り込む取り組みも出てきています。神田エリアに藍が増えれば緑が増えて、子どもたちが葉っぱを触る場も広がりますから、緑でいっぱいにしたいと思っています。
ブルース、葉山芸術祭での活動紹介
関:ここでブルースから、「親子の日」の活動告知です。
動画 25分50秒「葉山芸術祭の告知」
ブルース:今年は森戸神社でアート作品のパネルを展示しています。
関:神社に入ったらすぐ見えますから。
動画 26分11秒「森戸神社での展示」
動画 26分38秒「森戸神社の展示風景」
佳子:近くのLanaiギャラリーでも作品を展示しています。
動画 26分46秒「Lanaiギャラリーでの展示」
佳子:福田勝さんとブルースの2人展で、ブルースは海で拾った漂流物をモチーフに、写真のネガに手でドローイングを加え、山梨・西島の和紙にプリントした作品を展示しています。ぜひ見に来てください。
イベント盛りだくさんの大規模イベント
動画 28分28秒「撮影会・上映会の告知」
ブルース:あと、撮影会をやるね。
佳子:子どもの日の撮影会、それ以外にもLanaiで上映会とトークイベントもあります。ブルースが日本に来て間もない頃に撮ったバリバリ昭和な映像。いろいろな場所に鳥居を持って行って撮影したんですよ(笑)。5月4日はMCに関さんを迎えてブルースとのトークイベントもあります。
関:親子写真とは違うブルースの1面が見られます。葉山芸術祭は展示が100以上、鎌倉から秋谷まで大規模です。アーティストのアトリエに入れたり、映画の上映会もあったり。すごいですよね。
動画 31分43秒「葉山芸術祭の魅力」
佳子:今年で34回目かな。1つのテーマのもとにいろいろな人がコミュニケーションできるのが素敵で、それが葉山の魅力だったりします。
峯岸由美子の~Present to the Future~
動画 33分15秒「全てのものに命がある」
関:では、フジコちゃんのPresent to the Futureをお願いします。「全てのものに命がある」どういうことでしょうか。
峯岸:どうしても人間が中心になってしまうと、人のほうが素晴らしくて、周りの自然も、友達も、あるいは全部ひっくるめてそうじゃないものと思いがちですけれども。家族も友人も、近所の草花も、そこにいる小さな虫たちも、一つ一つに小さな命があることに気づいてもらいたいと思っています。気づく人が増えれば、いろいろなものを愛おしく思い、慈しみ、大切に思う関係性になってくる。
それがどんどん広がっていけば、地球は平和になるんじゃないかと思っていて。大きな話ですけれども。まず周りのものを全て慈しんでいくことが大切だと思っているので、子どもたちにはこれを伝えていきたいと思っています。
佳子:本当にそう思います。「親子の日」の思いと全くおんなじです。身近なところからみんなが始めれば、それがやがて大きなうねりになっていきます。そして、地球だって、限りある命を持った生命体ということも忘れないようにしたいです。
峯岸:それを忘れちゃいけないですよね。一番小さな単位が親子なんだと思っています。
ブルース:ぜひ一緒に、目の前のものをディスカバリーするテーマで何かやりたいですね。正しいと思う。
佳子:自然って力強いから、ちょっとした割れ目があると、ちゃんと芽が出てくる。そういう、命の力強さを失わない町になってほしいな。子どもたちにも、大人にも大事だと思います。
関:どうもありがとうございました。じゃあ皆さん、良い日曜日をお送りください!

































