過去のエッセイコンテストで「親子の日賞」を受賞した作品をお届けします。皆さんも、私たちと一緒にジンワリしましょう。
「ゆなちゃんは手のかからない良い子ね」
その言葉が呪縛だった。田舎の家の長女として生まれた私にとって私の評判は家の評判だった。教育熱心な親は小学校に入学する前から私を塾に連れて行った。
人より何かを始めるのが早かったおかげで運動も勉強もそれなりにできた。
当たり前のようにテストでいい点数を取ることや部活の大会で入賞するのが私だった。
そうやって私は自分を定義していた。
人懐っこい妹と対照的に、気づけば私と両親の会話は「成果」のことばかりだった。
でもいつまでも完璧に何でもできるわけではない。
一つ成し遂げるともっと何か成し遂げなければと新しいことに手を出す。
それを続けるうちに私は壊れてしまった。
不登校になったのだ。
毎晩明日の学校が不安で寝付けなかった。
朝起きて制服を着ても玄関から出れなかった。
それを母が心配そうに見ているのが苦しかった。
「休んでもいいよ」そう言われるたびに母の信頼を裏切っている気がした。
自慢の娘じゃなくなっていく気がした。
不登校になったことを何事でもないかのように食卓で振る舞う父を見ては不安になった。
苦しさを物に当たった。
そんな時でも両親は私を諦めなかった。
昼夜逆転して1人で過ごすことが多くなったときは、母は一緒に起きて韓国ドラマを見てくれた。朝起きれた日はドライブに連れ出してくれた。
父は私がやりたいことができるようにあえて遠くから見守ってくれるようになった。
「通信制高校に行きたい」と言った日は何も言わず頷いてくれた。
何もできなくなっても変わらず傍にいてくれた。
不登校だった時間を通して、私は父と母のことをよく知れた気がする。
二人は想像以上に私のことを知っていて、愛している。
今はそれを十分理解しているから完璧じゃない自分も愛せる。
お父さん、お母さん、私の子育ては人一倍手が掛かったと思います。
予想外のことだらけだったと思うけど、その分たくさん思い出もあります。
ありがとう。
FU 19歳 千葉県我孫子市

































