「お家から送られた荷物に励ます気持ちや優しい気持ちを届けてもらった。」

ご家族と離れて暮らす環境の方なら、こんな経験もあるのではないでしょうか?

今回お届けするお話に、もし何かを感じていただけたら、

今夜お家にお電話してみませんか?

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「荷を解く日」

「子が巣立ち夫婦で菜園汗流し」父の還暦を境に二人に戻った両親が庭に菜園をつくりました。
「野菜はまかしといて」勇ましい掛け声ではじまりましたが、二年間は音なし。
「届かないけど」冗談を交えた電話による会話が弾んでいました。

 

ところが三年目に入ると、カブ、タマネギ、ミニトマトなどが届くようになりました。
それにホウレンソウやインゲンなど混ざります。
「すごいじゃん」そう言うと「土の上にも三年」と冗談が返ってきます。
なんでも野菜・果物ゴミは必ず土の中に、付近の山から枯葉を拾ってきて土の中へ、
お米のとぎ汁を土の中に繰り返し入れてきた結果と、長く熱く語るようになりました。

 
「子が親を気配りしなきゃの歳になり」語り口、話の内容を聞きながら、いや聞かされながら、
私の方は親が元気でいることを確認します。
声の調子、話の筋立て・要領、特に同じ内容の話を繰り返していないかに注意を払います。
また、菜園仕事のときは帽子を忘れず、途中休み休みやり、水を頻繁に飲むことを必ず言い添えます。
「ああ、分かっている」空返事に感じますと、もう一度繰り返します。

 
「ありがとう贈られ元気を再確認」野菜がいっぱい詰まった箱が届くと心が躍ります。
野菜は日頃の電話で分かるのですが、ほかにいろいろ詰めてくれるからです。
小さいとき、好きだったお菓子が入っているときには涙が出そうになります。
こちらがいくら気配りしていても、子は子なんだな、と思う瞬間です。

 
「親からの荷物届く日親子の日」荷の結び具合でどちらが詰めたのかが分かります。
確かな結び目を解きながら「しっかりやれよ」と声をかけられている感覚がします。
「毎日が親子の日だろうが」と父はよく冗談を言いますが、
改めて親子を確認するのがこの、荷を解く日です。

 
32歳 女性 神奈川県

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