コロナに罹患。自分は罹らないだろうと高を括っていたがしっかり後遺症も。辛かったのは吐き気。悪阻の頃を思い出した。長女のときはリンゴ、次女のときはトマト、三女のときは納豆ばかりの日々が、産むまで続いた。  
今回は、普段はあまり食べないステーキやマックが食べたいと言って、娘たちには本当に具合が悪いの?と疑われたが、ビールが飲めなかったから信じてもらえた。
コロナ禍の昨年から今年にかけて、企業とのコラボ事業がいくつか決定。企業が社会課題を解決する事業に乗り出し、私たちの描く「さんの笑顔プロジェクト」が少しずつカタチに。さんがご機嫌で子育てできれば、経済効果は上がり、地域も社会も元気になるというシナリオだ。(おっと、お父さんもだ)成功のカギは、チャレンジする勇気。だが、子育てが大変と言うおさんたちのニーズに合わせるだけでは本当の笑顔はつくれない。心の奥深くに潜んでいるゴコロ」にそっと寄り添い、100年先の未来を描くことが大切だ。
多様化の時代。けれども、大切なことは変わらない。社会のしくみを変えるのは容易ではないが、さんが変わればすべてが変わる、と私は思う。
昔も今も、おさんが見えなくなると赤ちゃんは泣く。夕方になるとわけもなく泣く。そして、なぜか親が抱くとピタリと泣き止む。
さて私…。みんなに「つわり? 今度は何を産むの?」と言われ、「コロナを機に10年後の未来をつくる企画を妄想中」と答えている。その名も「注文の多い保育園」。
園に通うおさんには7つの注文が与えられる。①先生に子どもを託した後、園の周りを掃除してください。ついでに近隣の方へにこやかにご挨拶。②週1子どもと一緒に保育園で過ごしてください。③お昼寝時間中、先生たちに美味しいお茶を入れてください。④一人一芸を登録し、園に貢献してください。⑤職場のお昼休みは一時スマホを置いて、わが子を想いペンを持ってください。⑥月1はお父さん保育園になるので、その間おさんはお一人様時間を満喫してください。⑦どう笑顔になれたか、園と会社とお父さんに、感謝と報告レポートを。
作品意図も物語も異なるが、有名な宮沢賢治の『注文の多い料理店』。2人の兵士が森で迷子になり、不思議なお店に辿り着く。そこでは次々と注文が出され、最後には恐ろしいことが起きる…。
賢治さんからは、勝手なことをするなと文句が出そうだが、「注文の多い保育園」の最後は、親も子も笑顔になるのだから許してくれるだろう。いやもしかしたら、「注文の多い料理店も注文の多い保育園も、客は来ないからやめなさい」とでも言われるのだろうか。
藤本裕子)

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